インターミテント・ファスティングとは? 集中力と健康な体が手に入る最強の食事法

Shu Omi
6 min readOct 27, 2019

アウトライン

  1. インターミテント・ファスティングとはなにか
  2. ファスティングの健康効果
  3. インターミテント・ファスティングの始め方

1. インターミテント・ファスティングとは

最近欧米の科学者の間で話題になっている食事法がある。様々な研究の結果、この食事法を試すと、1) 血糖値の低下、2)体内の炎症の抑制と免疫の向上、3)血圧とコレストロール値の低下、4)脳機能の向上、5)新陳代謝の向上と体重の減量、6)抗老化作用、7)がん予防といった効果が期待できるという。その食事法こそがインターミテント・ファスティング (Intermittent Fasting)だ。

数年前から話題になり始めたこの食事法は、多くのハリウッドスターも実践している。例えばX-Menで有名なヒュー・ジャックマン、歌手のビヨンセ、女優のニコール・キッドマンやスーパーモデルのミランダ・カーなどだ。

では一体インターミテント・ファスティングとは何なのか?英語でインターミテント (Intermittent) は断続的な、という意味。そしてファスティング (Fasting) は断食のことを言う。つまり断続的に断食をするということだ。では具体的にどのようにするのだろうか?

インターミテント・ファスティングには複数の種類があるが、最も人気なのが16:8である。この方法では1日の間に断食する時間が16時間、そして食べられる時間帯が8時間というものだ。例えば、元NFLの選手で現在俳優のテリー・クルーズは毎日14時まで一切何も食べない。14時になると昼食を食べ、そして夕飯は22時前までに食べ終わる。なので食べる時間帯は14−22時の8時間のみ。その時間帯以外は水以外何も口にしない。

このようにインターミテント・ファスティングの基本は1日の食事時間を制限することだけだ。なので、その制限時間内であればどれだけ何を食べてもかまわない。どの時間帯を断食の時間に設定するかは個人の自由だが、朝食を抜くだけの14時から22字までのインターミテント・ファスティングは比較的簡単にできるため多くの人が実践している。ただ16:8以外にも18:6や20:4など、16時間よりも長い時間断食する人も少なくない。20:4のように4時間しか食べる時間がないとなると一日一食のみとなってくる。この一日一食は英語でOne Meal A Day (OMAD)と呼ばれていて、インターミテント・ファスティングと並んで注目を集めている。

2. インターミテント・ファスティングの健康効果

ではなぜ1日の食事時間をたったの数時間にまで制限する意味があるのだろうか?それは、冒頭で述べたようにファスティングには多くの健康効果があるからだ。

a) 血糖値の低下

血糖値の高さは糖尿病などの病気と深く関係している。糖尿病を持つ10人を対象にした研究によると、インターミテント・ファスティングをすることによって血糖値を著しく下げることができたという。

b) 体内の炎症の抑制

風邪をひくと喉が赤く腫れるように、一時的な炎症は免疫システムが感染症や病気と闘う過程で自然と起こる現象だが、慢性的な炎症は心臓病やがんと関係しているとされる複数の研究によると、インターミテント・ファスティングをすることによって体内の炎症のレベルを下げることができたという。

c) 心臓病のリスクの低下

心臓マヒなどの心臓病は日本に限らず世界中の国々で一番の死亡原因の一つだ。心臓病は食事や生活習慣の改善でリスクを低下させることができると言われているが、ファスティングも有効な手段の一つだ。肥満体質な110人の大人を対象にした研究によると、インターミテント・ファスティングを3週間することで心臓病の原因の一つである高血圧やコレストロール値を改善できたという。

d) 脳機能の向上

ファスティングは脳機能や脳の健康の改善に効果があるという研究結果も出ている。例えばマウスを使った実験で約11ヶ月のインターミテント・ファスティングが脳機能や脳構造の改善につながったことや、他の実験では、マウスの思考力・認知力の向上も確認されたという。また、脳機能の改善だけではなく、アルツハイマーなどの病気の予防にもつながるという。

e) ダイエット効果

当たり前のことだが、インターミテント・ファスティングは食事時間を制限するため1日の摂取カロリーも減ることになる。そのため、ファスティングをする多くの人が体重の減少を経験したという。また、ある研究によるとインターミテント・ファスティングをすることで体の新陳代謝が向上し、その結果より早い体重の減少につながったという。

f) 抗老化作用

ファスティングは老化を防ぎ、寿命を伸ばすことでも知られている。マウスを使った実験では、インターミテント・ファスティングをしたマウスはしなかったマウスよりも83%寿命が長かったという。

g) がん予防効果

複数の実験結果によると、ファスティングはがんの予防にもつながるかもしれないという。例えば、マウスを使った実験ではインターミテント・ファスティングをしたマウスはしなかったマウスよりもがんにつながる腫瘍の形成が少なかったという。

3. インターミテント・ファスティングの始め方

インターミテント・ファスティングのルールは至ってシンプルだ。1日に食べられる時間を設定して、その時間帯以外は水やブラックコーヒー以外は何も口にしなければいい。ただ、通常の1日3食の食事からいきなり16:8などを始めるのはつらいかもしれない。なので1日ごとに食べられる時間帯を1時間ごと減らしていき、最終的に16:8に辿り着けばいいのではないだろうか。

始めてから1週間ほどは空腹に襲われてつらいかもしれないが、ブラックコーヒーは空腹を抑えてくれる効果があるためお腹が空いてきたらコーヒーを飲むのもいいかもしれない。ただ、コーヒーにミルクや砂糖入れるのはファスティングの健康効果を相殺してしまう可能性があるため厳禁だ。

日本では断食というと健康に悪いイメージがあるかもしれない。実際に私自身も母親にインターミテント・ファスティングのことを話すとすごく心配された。しかし、始めてから1年たった今、昔よりも頭もすごく冴えるし体調を崩すことも全くなくなった。断食につきまとう固定観念を打ち破ることは難しいが、断食は科学的に非常に大きな健康効果があることが既に証明されている。

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Written by Shu Omi

I’m a former data scientist and now a full-time creator. I share what I learned about personal knowledge management and building an online audience

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